IH式塗膜剥離工法について

METHOD

有害物質を安全に除去
塗膜除去時の産業廃棄物量を軽減

IH式塗膜剥離工法は、社会インフラの鋼製橋梁(高架橋・歩道橋・跨線橋等)や水門、タンクなどの塗膜を安全で簡易に剥がすことが出来る工法です。
本工法は、塗膜に含まれている有害物質である、鉛、六価クロム、PCBを安全に取り除くことが出来ます。
高速道路事業者様や鉄道事業者様からも大変好評を得ており、塗膜除去時の産業廃棄物量が軽減できることも併せて評価されています。

  • IH式塗膜剥離工法とは

    平成17年鋼道路橋塗装便覧の改正後、超耐久性塗料の施工に際し1種ケレン(ブラスト)による塗膜の全面除去が標準化されました。しかし、作業中の鉛中毒事故や塗料中のPCB対策により1次処理で、はく離剤による塗膜除去が主流となっています。
    IH式塗膜剥離工法は、電磁誘導加熱により鋼鈑を加熱する事により塗膜を軟化させスクレーパーで粉塵を出さず剥がし取ることができる工法です。

  • IH式塗膜剥離工法により塗膜が剥がれる理由

    有機物性で作られた塗料は、塗膜形成後プラスチック化した固い塗膜となり構造物を保護しています。
    塗膜形成後も外気温の変化により膨張収縮を繰り返し、構造物の動きにも追従しています。
    この原理を利用したものがIH塗膜剥離工法で、金属面に発生した熱で有機物性の塗膜は結合された樹脂が熱により軟化し、カッターナイフで簡単に切れる位軟化した塗膜は、鋭利なスクレーパーで簡単に剥がすことができます。

    ※これらの原理でも、防錆塗料の無機ジンクリッチペイントや鉛系さび止め、耐熱性塗料等は剥がれにくい素材の1つです。

  • 特徴

    • 120℃~150℃程度で塗膜を剥がすことができる
    • 塗膜の厚さに影響を受けない
    • 軟化した塗膜がフィルム状に剥がれる
    • 粉塵化を抑制できる
    • 騒音を抑制できる
    • 少人数で施工ができる
    • 産業廃棄物量が軽減出来る
    • 気温による影響を大きく受けない
  • 適用条件

    • 加熱対象物の素地が鋼鈑である
    • 200ボルトの発電機が設置出来るまたは200ボルトの商用電源が設置出来る

    ※ 適用できない箇所:鋼鈑以外の素地であるコンクリート、アルミなど

施工実績

  • 足場が設置出来ない
  • 作業ヤードが狭い
  • 高所作業車、軌陸作業車、橋梁点検車
  • 夜間で作業時間が短い
  • 養生ができない

などの理由から、他の剥離工法において施工出来ない現場での実績が多くあります。

会員企業によるエレクトロリムーバー(200V)施工実績※2023年3月31現在

施工年月
  • 施工名
  • 施工企業名
2021年11月
  • 県道冨多大城線両町橋橋梁補修工事(第2工区)
  • ビルドメンテック(株)
2021年11月
  • 県道冨多大城線両町橋橋梁補修工事(第1工区)
  • ビルドメンテック(株)
2021年8月
  • 泉山跨線橋補修
  • ビルドメンテック(株)
2021年3月
  • 裏匹見橋塗装修繕
  • 寺戸工業(株)
2020年11月
  • 西村歩道橋
  • タナカ塗装システム(株)
2020年9月
  • 高幡架道橋
  • 大進産業(株)
2020年8月
  • 二俣歩道橋修繕工事
  • (株)コウノ
2019年12月
  • 平成30年度冨士維持管内橋梁維持補修
  • (株)コウノ
2019年11月
  • 福岡3号三萩野横断歩道橋補修外工事
  • (株)ハットリ工業
2019年7月
  • 港歩道橋
2019年1月
  • 山王橋橋側歩道橋
  • ビルドメンテック(株)
2018年11月
  • 風田橋橋側歩道橋(下り)
  • ビルドメンテック(株)
2018年11月
  • 風田橋橋側歩道橋(上り)
  • ビルドメンテック(株)
2018年4月
  • 東福間駅連絡橋
  • ビルドメンテック(株)
2017年2月
  • 駅構内自由連絡通路
  • ビルドメンテック(株)

施工の流れ

STEP1

準備工

  • 発電機、インバーター本体のケーブル準備
  • インバーター本体と加熱コイルを接続

STEP2

養生工

  • 作業周囲の飛散防止等養生対策(足場工)
  • 作業ステージ養生(高所作業車・軌陸車)
  • 作業車周辺の養生

STEP3

IH剥離工

  • 発電機作動
  • インバーター本体の受電確認
  • 施工面に加熱コイルを押し当て、加熱箇所をスクレーパーで剥がす
  • 加熱、剥離作業の手順を繰り返し行う

STEP4

後片付け

  • インバーター本体、発電機電源切断
  • 各ケーブル取り外し
  • 周辺飛散物清掃